~Snow White~『ニ巻』
悪夢の屋敷の前に立つと
利香は鳥肌がたった。


たくさんの車が停まっていた。


人がたくさんいる時は
大丈夫だろう・・・・

一人にならなければいいんだ


 兄だって
 人前で私に何かするわけはない



「利香~」

喪服の母が抱きついてきた。


「あなたに会いたがってたわ。」



「ごめんなさい・・・
おかあさん、あの人は?」


「今、社葬の準備で出かけてるわ。」


「よかった・・・
お葬式終わったらすぐ帰るから。」


利香はまるで何かに追われるように
ヒヤヒヤしている。


「私がいるから大丈夫よ……」

母は利香を抱き寄せた。
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