~Snow White~『ニ巻』
同じ頃
洋平も利香と出会う。


いつものように街をうろついていた。


「やめてください。」
小さな声だけどきっぱり拒否する声


「少しでいいんだ。
はなそう…おまえがいないと…」


 痴話げんかか…

洋平もよくあることで
自分はよく詰め寄られ最後は
ビンタでもはられる感じで
終わりをつげる。


女なんてどれも同じで
性欲だけはければそれでいい
そう思っていた。



その場を立ち去ろうとした時
女と目が合った。


 うちの学校じゃん……



「利香……少しでいいんだ。」


「話すことはないわ。
あなたもなかったことにして
その方がお互いのためでしょ?
私は忘れるためにここに来たの。」



「おまえがいないと……」
男の背中はがっしりとしていた。


「今、彼と待ち合わせしてるの。
だから、お願い……
そっとしておいて。」

洋平が立ち去ろうとした時だった。
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