~Snow White~『ニ巻』
利香の顔がこわばった。


「大声をあげるわ。」


「話すだけだよ。」


「それ以上、近寄らないで。」


利香に寄ろうとした稔を
止めた。


稔は笑って足を止める。


「何年ぶりかな。
街で会ったっきりだから・・・
二年か……またキレイになったな。」


利香の顔が強張った。


「あの彼とはうまくやってんのか?」


利香は咄嗟に洋平を
彼氏だと言ったことを思い出した。


「ええ。」


「そうか~楽しく過ごしてるんだな。」


「卒業後はどうするんだ?
おかあさんもずっと一人で屋敷に
おいておくのか?」


稔の冷ややかな笑いが気になった。
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