~Snow White~『ニ巻』
「どういう意味?」


「父親とは婚姻関係があるけど
親父が死んだらおかあさんは
俺とは赤の他人だからさ。
一緒に暮らすのはどうかなってさ」


「母に出て行けってこと?」



「あげるものあげるし……」


「それじゃ、私も解放されるのね」



「それはどうかな~
父の遺書にはどうなってるのか
弁護士があずかっているようだよ。」


母のことを考えてなかった。


「おかあさんには他人と言っても
よくしてもらったからね。
利香の母親でもあるしさ。」


利香は稔を睨みつけた。


「私は帰らないから。」


「いいよ、帰らなくても
会いにいけばいいし」


利香の目にぞくぞくした。
あんな目をされても
ゾクゾクする
疎まれれば疎まれるほど
力ずくでも奪って泣かせてやりたい…


「利香は悪魔だよ。
俺を破滅させるんだ・・・・・」


スキを見てドアから出ようとした
利香の柔らかい手を捕まえて
引き寄せた。
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