~Snow White~『ニ巻』
「疲れちゃったかな。」


智久の寝顔にキスをした。


それを見ていた
夏絵は

「ずるい、トモばっかり。」


智久の頬を撫ぜた。


「トモは特別だもんな。」


「私もね、トモがいるから
頑張れるんだ。
一人だったら…そう考えると
寂しくて死んでしまいそうになる。」


夏絵は智久の頭を撫ぜた。


「なんか私、若い母親って感じでしょ?
トモの母親は私だって
思ってる。
あんな女が母親だなんて……
忘れたいくらいよ。」


なんて言っていいのか

竜平は言葉を探した。



「あの女には母性本能がないんだ。
こんな可愛いトモを捨てたんだから。
母になれない…
一生女になって、ババアになっても
女なんだ・・・・」


「その分、おまえが
おかあさんしてるから
トモは幸せだよ、きっと。」

竜平は夏絵に声をかけた。
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