~Snow White~『ニ巻』
竜平の声が聞けなくて
悲しかったけれど
変わりに洋平が話しを聞いてくれた。


たぶん竜平には絶対言えないことを
洋平には言えてしまう。


兄に抱きしめられて
キスマークをつけられたこと


怖くて・・・助けて・・・って
叫んでることも・・・

洋平は明るい口調で

「俺が守ってやるから
ここから念をとばし続けるから。
もうおまえは大丈夫だ。」

そう言った。

利香もその声に笑ってしまった。


「ありがと
洋ちゃんには甘えてばっかね。」


「いえ、いえ
お姫さまのためならわたくしは
王子になれないなら
お守りする小人7人分になりまっせ。」


そう言って笑わせてくれた。


母の布団に入って寝た。

ここには来ないだろう…
目を閉じた。
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