ほしいもの
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「はい、約束だったからね」
お父さんに手渡されたのは、私がずっとほしかった携帯電話。
中学生のころからお願いしていて、『高校1年の誕生日に買ってあげる』と言われ、待ち続けたこの3年間。
やっと、やっと、ケータイを手に入れることができた。
「ありがとうっ!!」
お礼を言うと、すぐに自分の部屋に行く。
説明書とにらめっこしながら、ボタンをいじっていく。
前々から友達にもらっていたメールアドレスをアドレス帳に入れて、用もなく電話したり。初めて触る“自分のケータイ”というものは、不思議な感じがした。