手のひらの終焉
「あら、いい飲みっぷりね」

アモーレがリャウカに顔を近づけて言った。
 
香水が香る。
 
火が付いたみたいに体がカッと熱くなる。
 
リャウカの手から奪われた瓶が、

スクセの手に回っていく。
 
笑いながら、

スクセがそれをあおる。
 
ああ、よりにもよってあたしのすぐ後に飲むなんて。
 
また、マモウルの怒りを買っちゃうな。
 
思ってちらりとマモウルのほうを見た。
 
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