手のひらの終焉
せりあがってくる吐き気を飲み込んだ。

「いいコトを教えてあげるわ。

これはあなたの持ち出した情報を紐解いたものだから間違いないわ。

あなたは、あなたのいた組織を構成している人間の、

血縁者なのよ」

言われた言葉が、

ひとテンポおいて、

リャウカの脳みそに沁みてくる。

血縁者?

あたしが?

あの組織を作っている人間の?

「水が豊富にあって、作物がたくさん取れた、

恵まれたオアシス都市を一つ所有しているだけじゃ、

足りなかった、強欲な一族の一人なのよあなたは」

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