手のひらの終焉
もう一度、せりあがってくる吐き気を飲み下した。

続けざまにもう一度。
 
でも、限界だった。
 
出口の方へ行こうとして、

どうやらマモウルを押し倒してしまったらしい。
 
マモウルがリャウカの体の下敷きになって、

叫んでいる。

「ごめん。マモ」

 吐き気に押された。
 
マモウルを押しのけるようにして、じゅうたんの出口から這い出ると、

テントの裏側に回って吐いた。
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