手のひらの終焉
リャウカはひざまずいた姿勢で、

椅子の上のノインを見ているので、

睨みあげているような形になる。

それがノインの気に障るらしい。

眼に不快そうな表情が走る。

ノインの顔は、半分布に覆われていても、

かなり整ったようすをしていることがうかがえる。

その綺麗な顔に冷酷さを貼り付けていて、

血の通わない人形のような印象を受ける。

ただ、人形と違うのは、異様に力のこもった、その目だ。
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