手のひらの終焉
それは知ってる。

きっと体の設計図である遺伝子の中で、

それはお隣同士に位置しているんだ。

秀でた五感のどれかは、必ず、

そのお隣にある体の色素の情報に作用するんだ。

超劣勢的なその遺伝子は、

肌の色を透けるような白さにし、

眼をグレーに、髪を銀色にして、

この世の者とは思えない外見にしてしまう。

まるで、この乱れてしまった自然の中で適応し、

新たに進化しようとするように、あるいは、

今までの人類を滅ぼすために、

生まれてきた種族の印のように。

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