手のひらの終焉
けれど、その努力は虚しいものに終わりそうだった。
 
家族に対する愛着が薄いせいと、


自分が孤独であることは、誰に教えられなくても知っていたから。
 
かわいそうなマモウル。
 
必死で、あたしを奈落の底へ落とそうとしている。
 
天使のような顔と魂を、半分悪魔にささげながら。
 
リャウカは、自分の顔がマモウルによく見えるように、

半身を起こしてランプに近づけた。
 
頬を、涙が伝っていく。
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