手のひらの終焉
マモウルは、黙ってそれを見ているようだった。

口元に、満足げな微笑が浮かぶ。

それから、勝ち誇ったようにつんと顔を逸らせると、

テントの方へ戻って行った。

リャウカの目からは続けて涙が伝い落ちた。
 
残念でした、マモウル。
 
コレは悲しみの涙じゃなくて、苦しみの涙なんだ。

さっき胃液を搾り出すときに出た、モノ。
 
リャウカはパタンと、砂に倒れた。

眼を閉ざす。 
 
やっぱり世界は回っている。
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