手のひらの終焉
色は淡い灰色。

輪郭も美しい目で、爬虫類を思わせる目つき。

この目に、多くのニンゲンがすくみ上がる思いをさせられて来た。


「砂が舞い上がって、目に入ったんです。

単純な、ミスですね」


この場の気後れする雰囲気も、ノインの威圧的な雰囲気も、

リャウカには通用しないらしい。

緊張感の全くない言葉だった。

リャウカも、頭から砂色の布を被っていて、

そこから目だけを出している。

彼女の方も、それだけでも整った顔をしていることが分かる。

その顔をニッと笑わせた。

リャウカの瞳はノインのものより濃く、

ハッキリ灰色と識別出来るような色だ。

「砂が目に入っただと!?」

ノインが荒々しく言う。

対照的に、リャウカは静かに肯く。
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