手のひらの終焉
分からなかったけど、リャウカは体を起こすと、

アモーレにすがりついた。

心地よく、柔らかい体と、強く魅惑的な香りがリャウカを包んだ。

「変な感じ。

何でアモーレって女の子になっちゃったの?」

アモーレがふっと笑ったのが分かった。

「この体、自前なのよ」

「自前?」

「本当の自分の体。いじってないのよ」

「え?だって・・・」

「あたしは半陰陽なの。

生まれつき、男でもあるし、女でもある。

ふたなりってヤツよ」
 
「それって、大きくなると性別が変化しちゃうヤツ?」
 
そういえば、昔ほど環境が安定していなくなったといわれているこの世界で、

半陰陽の人間は増えているときいたことがある。
 
でも、激減した人間に会うこと自体が稀である状態で、

本物の半陰陽のヒトに会うのはやっぱり珍しい。

そうか。

アモーレは生まれつき、両性なのか。

< 140 / 262 >

この作品をシェア

pagetop