手のひらの終焉
「小さい頃は、心も体も男だったのよ。

でも成長するにしたがって、こんな体になっちゃったの。

もう。

女として生きるしかないじゃない」

「大変だ。」

「まあ、楽しんでるんだけどね」
 
言って、体を揺らして笑った。
 
今の精神は、どっちなんだろう。
 
気になったけれど、聞かないことにした。
 
マモウルの体の感触を堪能していると、

心が和らいで、涙があふれてきた。
 
何の涙なのか、リャウカにも分からなかった。

あら、何泣いてんのよ。

バカな子ね。

マモウルにいじめられたの?」
 
リャウカは頭を横に振った。
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