手のひらの終焉
「そうじゃなくて」
 
言い訳を飲み込んで、アモーレに抱きついた。
 
無理しなくていいのかもしれない。
 
そう思ったのだ。

「ねえアモーレ、無血革命なんて戯言言ってる

無謀なスクセたちなんか放っといて、一緒に逃げようか」

アモーレはクスクス笑った。

「あたしに迫ろうとしてくる男を皆殺しにしてくれる?」

「いいよ」

言って二人で笑った。

本気で、それに挑んでみたいと思う。

何百人からだって、アモーレを死守してみせる。

そのうちに、バカなニンゲンが滅びてしまっても、

知らないで、二人で・・・


と、その甘いと言えなくもない和やかな空気を、

スクセの叫び声が裂いた。
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