手のひらの終焉
自分の手が痛むのも構わずに。

リャウカは床に倒れ込んだ。

頭を覆っていた布が取れた。

ひねりあげて頭の上に留めていた髪がほどけ落ちる。

濃いグレーに光を与えたような、長いシルバーの髪が、

サラサラと背中と顔を覆ってゆく。

透けるように白い肌の顔と首筋に、

真っ直ぐで艶やかなシルバーの髪が這う。

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