手のひらの終焉
細く綺麗に通った鼻筋に、

微妙につりあがっているのが印象的な、

大きく潤んだ目。

感情の薄さと比例するような、薄い唇は、

血色が良い。

その唇を、

リャウカは固く閉じていた。

正確に言うと、

奥歯からしっかりとかみ締めていたのだ。

殴られるのが分かった瞬間、

取った防御の一つだ。

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