手のひらの終焉
ボーッと口を開けたまま殴られたら、

歯で口の中を切って、

血まみれになる。

それを体は学習していて、

殴られると分かると、

反射的に防御するクセが染み付いていた。

「ふざけるな。

今度こんな真似をしてみろ、

組織に消されることになるぞ」

ノインは吐き棄てると立ち上がって、

広い部屋をツカツカと足音を響かせて出て行った。

リャウカは、倒れたままじっとしていた。
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