手のひらの終焉
自分がマモウルのことをそういうことをしかねないという目で

見ていたことが悲しいが、それを察知させるだけの悪意を、

マモウルは抱いていた。
 
それに、どのくらいの時間か正確にはわからないが、

リャウカが酒にやられていた間、空白の時間がある。

すぐにマモウルはやってこなかった。

多分、組織の誰かと接触するか、無線か何かで連絡を取るだけの

時間があったのだろう。
 
ただ、スクセが傷付けられたのは計算外だったに違いない。

「とにかく、ここにはいない。

あの子も運がないな。

たまたまノインの手下が来て、彼女の身の上を知ると連れて行ってしまった。

もちろん、あんたをおびき寄せるために、な」
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