手のひらの終焉
「一つ教えてあげよう。ノインは近づくにはやっかいな相手だ」

リャウカはノインの布に覆われた顔を思い出した。

「わかった。じゃね。軍曹さん、フィールグリュック(幸運を)」
 
それは、組織の合言葉のようなものだった。
 
リャウカはウインクしてそれを言うと、テントを出た。
 
ノインは少数で移動すると聞いたことがある。
 
こちらの本体から離れて、もっと少ない人数で動いていることになる。

本体でも十数名。

ノインのいる小隊は、数名しか連れていないことになる。

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