手のひらの終焉
巨大組織だと思い込んでいた組織の中枢にいるノインの隊が、

こんなに少数だとは思わなかった。

もしかすると、組織全体の人数を数えても、

数十人しかいないのかもしれない。
 
そんな人数で、世界を更なる恐慌へ導いていたのか。
 
リャウカは砂の傾斜を足を取られながら窪地を出た。
 
そこにまだ倒れているリャウドを確認すると、

リュックを持って北に足を向けた。
 
今思うと、リャウドの態度や口ぶりは、

マモウルが誘拐を偽装したことをうすうす感づいていたように思える。
 
リャウカに話せるほど、確信は持っていなかったのだろうが。

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