手のひらの終焉
その中の一つはブラインドでふさがれ、

淡く光が漏れていた。

四階建ての四階部分だ。
 
そこに人がいるということだ。
 
よくこんな高い建物が残っていたと思う。

それも、ここにだけ。
 
緑の中に踏み込んで、奥まったところにある、

建物に向かって歩いた。
 
木の傍を通り過ぎようとして、目の前に、

ごろんと塊が落ちてきた。
 
さっと目をやると、手榴弾がまだごろごろと転がりながら

リャウカに近づいてくるところだった。
 
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