手のひらの終焉
彼女の名はリャウカ。

頭と体に分厚い砂色の布を覆っている。

降り注ぐキツい陽射しから逃れるためだ。

さっき、布のはしをぐいっと引っ張ったために、

短パンの足がむき出しになっている。

それにはまだ、気づいてないらしい。

覆いで隠された隙間から濃いグレーの瞳を鋭く覗かせて、

じっとしている。


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