手のひらの終焉
少し狙いの外れた弾は、避けるまでもなく、

リャウカの頬をかすめて行った。

「くそっ」

男は言ってうなった。

腕の問題というよりも、なれないサイレンサーをつけたために、

狙いが狂ってしまっているようだ。

今度は、その誤差を修正して撃ってくるハズ。

と、今度はリャウカの額目掛けて飛んできた。

それを、頭一つ分動いて避ける。

そおして、男に向かってニッコリと微笑んだ。

男の顔が動揺する。

その視線の先で、深く被っていた布を頭から剥ぎ取った。

後ろでひっつめた長い銀髪が、布の中からこぼれ出る。

< 206 / 262 >

この作品をシェア

pagetop