手のひらの終焉
ヒドい。

思いつつ、近づいて行くと邪魔だったので、

体をまたがせてもらった。

ドアの奥には私室があった。

大理石張りの床がむき出しになっている。

部屋の右手には天蓋付きのベッドがあり、

カーテンが引かれてあった。

敵は、その中にいるらしかった。

リャウカが部屋に足を踏み入れるなり、撃ってきた。

正確に、リャウカの胸を狙って弾が飛んでくる。

リャウカは一旦部屋の外に逃げた。

邪魔なところに転がっている男のことは忘れていたので、

後ろ向きに男につまづいて転んだ。

「痛てっ!バカ、いつまでもこんなところに転がっているな!」

瀕死の重傷の者に向かって無茶を言う。

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