手のひらの終焉
リャウカは呆れながら、転んだままの姿勢で銃を取り出すと、

一瞬後の男のいる位置を予測して、針を撃った。

針は見事にハゲた頭頂部に突き刺さり、

男は今度は転がるのを止めて、小刻みに震えだした。

即効、しびれ薬が効いてきたようだ。

リャウカは目の前に転がっている、

撃たれた方の男を見ながら立ち上がった。

仲間に対してこういうひどいことするヤツを、

一時的に痺れさすだけじゃ、物足りない気がした。

また、彼をまたいで部屋に入ると、体の麻痺した男を目の前に、

ポケットからナイフを取り出した。

そのつもりが、ガラスの小瓶をつまみ出していた。

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