手のひらの終焉
小さなつぼ型の本体に、

葉っぱをねじったような形のふたが付いている。

その本体の方はステンドグラスのように、

赤や青や紫のガラスを細かく張り合わせたように出来ていた。

「綺麗」
 
思わず、オレンジ色に灯る、ホールの明りに透かしてみた。
 
キラキラと個々の色に輝いている。
 
そういえば、よく見る暇もなかったけれど、

コレはアモーレがくれたものだった。
 
中に液体が入っている。
 
ふたをとってみると、中からアモーレの香りがあふれ出した。

香水瓶だったのだ。
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