手のひらの終焉
リャウカは別のナイフを、今度は太ももに巻きつけたベルトの、

内もも側から引き出すと、ジャキッと刃を出した。
 
ホールを見回す。
 
もう誰も潜んでいそうには見えない。

窓はないくせ、壁には束ねられたカーテンが、

装飾として吊り下げられている。
 
この男はその一つに潜んでいたのかもしれない。
 
リャウカは用心深く、カーテンの中を一つ一つ探った。
 
もう誰も隠れていなかった。
 
改めて、ノインのいるハズの部屋へ向き直った。

真っ直ぐにドアに歩み寄って行く。
 
と、突然、ドアを突き破って、弾が飛んできた。
 
発射音は聞こえなかった。
 
サイレンサーをつけているのか。
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