手のひらの終焉
弾は真っ直ぐリャウカに向かって来た。

油断していたので、リャウカの目は普通モードになっていた。
 
弾が見えなかった。
 
ほとんど反射的に、身を伏せた。
 
弾が空気を裂いて飛んでいく。
 
危機一髪だったと思う。
 
危機感が、リャウカの全身を貫いた。
 
グレーに戻っていた瞳に、マーブル模様を描いて赤が侵食し、

塗り替える。

そうやすやすとは、勝たせてくれそうにないらしい。
 
伏せている体に向かって、弾が飛んで来る。
 
今度はしっかり弾の軌道を目で追って、避けた。

じゅうたんに、弾がめり込む。
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