手のひらの終焉

カーテンの向こうから血相変えて出てきて、

手の甲で殴りつける、くらいのことを覚悟していたのに。
 
いや、覚悟というより期待か?
 
リャウカは痛めつけられるのが決して好きというわけではないが、

何となく、ノインには殴られないと気持ちが悪い気がする。
 
ノインに呼びつけられるということは、

だらけた仕事のやり方やその詰めの甘さを、

怒られ、殴られるということだった。
 
お約束というか、痛いのは嫌だが物足りない。

「他のグループにいても、煙たがられるだけだろう。

能力者には、能力者同士にしか分かり合えない孤独、というものがある」

そうかな。

リャウカは思った。
 
実際煙たがったのは、マモウルだけだ。

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