手のひらの終焉
よほど怖かったのだろう。

極限まで張り詰めていた彼女は、血まみれのリャウカを見て、

そのか細い神経に限界が来たのだろう。
 
しかし、この荒れ果てた世界に住んでいながら、血を見ただけで気を失うなんて。
 
リャウカは微笑んでマモウルを見下ろした。
 
今までよほど大事に守られて来たんだろう。
 
スクセ達のグループの目的の大部分は、彼らの意図とは別に、

実質は彼女を守ることだったのかもしれない。

彼女は、このままでいい。
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