手のひらの終焉
マモウルは一瞬黙って表情を曇らせた。

それから、小さく可憐な唇を開くと、

「仲間と一緒に逃げたわ。

あたしをここに残して。

あたしたちを、リャウカは裏切ってたのよ」

リャウドは信じられなさそうに目を見開いた。

「でも、マモウルを助けるためにわざわざ後を追ってきたんだぜ?」

「仲間と合流するために、仕組んだんじゃないかしら。

とにかく束の間でも仲間だったリャウカのこと、悪く言いたくないわ」

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