手のひらの終焉
不安そうなその目を、

リャウカは不思議に思って覗き込んだ。

 
あたしが暴れて危害を加えるとか、

思われてるのかな。
 

でも、どうも違うのだ。

 もっと違うタイプの不安なのだ。

「正確に言うと、

そそのかされただけ。

ここまではほとんど自力で逃げ出してきたから」

彼女はちょっと目を伏せた。

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