手のひらの終焉
リャウカは、手の平のピアスを見た。
 
まだ触れたままだったスクセの手が、

離れていく。
 
それをじっと見て目を上げると、

マモウルと目が合った。
 
不安の膨らんだ目が、

リャウカを見ていた。
 
ああ、そういうことなんだ。

やっと、

リャウカにも分かった。

彼女は、

スクセが好きなのだ。

「さて、眠るか。明日のために。」

リャウカは、両手を上げてノビをしながら言うと、

元いたテントに戻って行った。
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