手のひらの終焉
そういうことを考えると、

この逃れようの無い暑さが余計身に応えた。
 
灼熱の砂と空気がここにいる、

全てのモノから水分を奪い去る。
 
特に、

この地に来たばかりのリャウカからは、

体力も余分に奪ってゆく。

「父上は、

砂漠がイヤになって町へ行ったの?」
 
リャウカが訊くと、

リャウドは微笑んだ。
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