手のひらの終焉
リャウカは、

もくもくと歩く、ラクダを見上げた。

背中には、荷物を一杯乗せている。

もし、

ここでリャウカが歩くのをやめても、

荷物を棄ててまで、

彼女を運んでくれそうには無い。

リャウカは、

溜め息をつく気力も無く、

歩き続けた。

歩いても歩いても、

過ぎた時間でしかその距離を測れない。

足元ばかり見ていたリャウカの後ろで、

「星型砂丘だ」

スクセが呟くのを聞いた。
< 73 / 262 >

この作品をシェア

pagetop