手のひらの終焉
それからさらに歩きに歩き、

ふとカオを上げたリャウカは、

目に映る景色が代わっていることに気付いた。

目の前にある砂丘が、

低い小山のように盛り上がっているのだ。

さらさらと積もった砂の山肌は、

窪みが優美な曲線を描いていた。

強烈な太陽の光と対照的なくっきりとした陰が、

その窪みを彩っている。

息を呑むほどに、

強烈に美しい光景。

リャウカは一瞬、体中の疲れを忘れてそれに魅入られてしまった。

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