手のひらの終焉
リャウカと目が合うと、

ちょっと笑って、

「キツいか?」

リャウカは深々と頷いた。

「何で、夜に動かないの?」
 
その方が、

少しでも、暑いのがマシな気がするのだ。

 ほとんど怒りを込めて言うと、

「夜の行進は、

眠気と暑さとの戦いなんだよ。

よっぽど水の乏しいとこ以外は夜には動かない」

“よほど水に乏しく“ない砂漠があるのか?

口を利く元気は無かったけど、

言いたいことは、

スクセに伝わったようだ。
< 76 / 262 >

この作品をシェア

pagetop