手のひらの終焉
リャウカの脳裏に、

スクセに始めて会った時の光景が甦った。

 
そういえば、

イズミと出合った日でもあった。

 
イズミの初仕事のサポート役、

というか、

監視役の命を受けた日だった。
 
イズミは完璧な手つきで銃を扱いながら、

ターゲットを目の前に震え出したのだ。
 
そして泣き出した。
 
リャウカは、

自分が反抗していたときのことを思い出して、

イズミから銃を取り上げた。
 
一発、床を目掛けて撃ち、

それでイズミを撃ち殺したことにして、

潜んでいた建物からイズミを引きずり出した。
 
そこにスクセがいたのだ。
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