手のひらの終焉
自力で満足に歩けないものを連れて旅するには、

砂漠の道は険しすぎる。

リャウカは、目標に、一緒にいた人達が駆け寄るのを見届けると、

身を伏せたまま、ゆっくり後退した。

相手からはこちらの顔が分かるほど、近い訳ではないけれど、

ここから狙撃したことが分かるのは避けたかった。

リャウカは、無人のその建物を出、

下で待っていたトラックの荷台に、ライフルを置いた。

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