手のひらの終焉
でも、

無言で会話しているのが分かる。

「リャウカが選んだことだ」

スクセの言葉が突き刺さる。

「お前が選ばせたんだろう」

その通りだ。

なのに、

スクセは何て無責任なことを言うんだろう。

実際はそんな脅しがあったわけではない。

リャウカには両親やたくさんいたような気がする兄弟の記憶が、

ほとんどないと言っていい。
 
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