Honey Love
「……」
「……」
嵐のような空ちゃんは、いろんな所に爪跡を残して、風のように去って行った。
もちろん、大地くんも巻き込んだまま。
“大きくなったら俺の嫁になれ”なんて、突然言われて。
ビックリするどころか、言葉を失ってしまった。
そ、それに……なかなか離れてくれなかった大地くんに、凜久が不機嫌になっちゃって。
今度は凜久にぎゅうっと抱きつかれている今。
なんて言葉をかけていいのか分からないまま、ふたりとも無言のまま。
――『分かってるよね?後で、お仕置き』
その単語だけが、頭の中でぐるぐると回って反響している。
「……」
未だ無言のまま抱きついてくる凜久は、大きい子供のよう。
なんだか可愛く見えてきてしまった私は、凜久の髪をなでようと手を回した時だった。
「子供扱いしないで」
ペシッと手を払われてしまった。