Honey Love
口から出る言葉は、子供みたいなのに……大人ぶっている凜久はまだ不機嫌な様子。
しばらくすると、とんでもないことを口にした。
「瑠璃は……あの子のお嫁にいっちゃうの?」
「え……っ?い、いかないよ!」
慌てて否定したけど、ああ言えばこう言う凜久に、なかなか反撃できない。
「――ウソ。否定しなかったじゃん」
確かに……そうだった、…けど。
それは、驚いただけであって真意じゃない。
「わ、私は……」
1番恥ずかしい言葉を“自分”から言わなきゃ、きっと凜久の機嫌は直らない。
「……なに?」
何か言いかけた私に
さっきまでシュンと憂いを帯びていた瞳が、一瞬にして意地悪なモノに変わる。
――ああ、
私はこの瞳に弱いんだ。
真っ直ぐな視線に、目を逸らすことなんて出来なくて。
私は凜久に捕らわれた、まま。
「凜久の……お嫁さんに…なる…んだもん…」