Honey Love
ああ……っ、女の子の夢。
王子さまからのプロポーズ。
今“自分から”言ってしまった私に、女の子の永遠の夢は、儚く散ってしまった。
「……」
あ、れ――?
凜久の瞳が、スッと急に真剣な色に変わって。
その唇からこぼれる言葉がまるで意志を持つかのように……
スローモーションのように落ちては、私の周りに散らばった。
――いつか…
俺と、結婚してくれますか?
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
けど――…
「はい……」
“yes”を言わせる魔法の言葉。
涙で少しぼやけた視界に、凜久の顔がグッと近付いて。
顔、赤い……なんて実感するより先に重なった唇に
私の意識は全部持っていかれた。