Honey Love


ああ……っ、女の子の夢。

王子さまからのプロポーズ。


今“自分から”言ってしまった私に、女の子の永遠の夢は、儚く散ってしまった。



「……」

あ、れ――?

凜久の瞳が、スッと急に真剣な色に変わって。


その唇からこぼれる言葉がまるで意志を持つかのように……

スローモーションのように落ちては、私の周りに散らばった。



――いつか…
俺と、結婚してくれますか?





一瞬、何を言われたのか分からなかった。

けど――…



「はい……」

“yes”を言わせる魔法の言葉。


涙で少しぼやけた視界に、凜久の顔がグッと近付いて。

顔、赤い……なんて実感するより先に重なった唇に


私の意識は全部持っていかれた。


< 117 / 208 >

この作品をシェア

pagetop