Honey Love
もう、ダメだよ……
これ以上抵抗出来ないと
諦めかけた時――…
「何やってんの?嫌がってんじゃん」
きっと、この人の方が先に屋上に来ていたんだろう。
屋上の奥の影から、出てきた男の子は……
私を呼び出した3年生の先輩よりも遥かに高い。
頭一個分くらい。
私の頬を包んでいた手が離れ、
私はまた自由になれたんだ……。
この男の子も、3年生かな?
やけに大人びてるし――。
上履きの色を見ようと、
視線を落とすより先に……
「こんにちは、こっちはヨウ」
ヒョイッと顔を覗かせる男の子。
背の高い男の子の肩に手をのせてみせた。