Honey Love


「今年のバレンタインは、お家で彼とまったり」

そっか、日曜日なんだ、と雑誌を読むあおい。


平日じゃない分、学校で渡すことはないってことだよね。


きっと凜久のことだから……
学校中の女の子からチョコもらうんだろうな。

そう思ったら、ホッとした。



「瑠璃も良かったじゃない」

「……へ?」

「今は逆チョコもアリだからね。瑠璃も男の子たちからもらうんじゃない?」

――たんまり。


そう言って、口の端を上げて意地悪な笑顔を見せるあおいは、どこか嬉しそう。



「じゃあさっそく、凜久くんに電話してみれば?」

「う、うん……」

テーブルの上に置いてあるケータイを手にして、少し震える指先で凜久の番号を探す。


< 124 / 208 >

この作品をシェア

pagetop