Honey Love
「今年のバレンタインは、お家で彼とまったり」
そっか、日曜日なんだ、と雑誌を読むあおい。
平日じゃない分、学校で渡すことはないってことだよね。
きっと凜久のことだから……
学校中の女の子からチョコもらうんだろうな。
そう思ったら、ホッとした。
「瑠璃も良かったじゃない」
「……へ?」
「今は逆チョコもアリだからね。瑠璃も男の子たちからもらうんじゃない?」
――たんまり。
そう言って、口の端を上げて意地悪な笑顔を見せるあおいは、どこか嬉しそう。
「じゃあさっそく、凜久くんに電話してみれば?」
「う、うん……」
テーブルの上に置いてあるケータイを手にして、少し震える指先で凜久の番号を探す。