Honey Love
「……――嘘」
急に後ろから抱きすくめられる。
ただそれだけなのに……、さっきまで怒っていた私の心は力なくシュンとしぼんでしまった。
凜久はずるいよ
ずるい――…
「ほら、こっち来て」
手を優しく包まれれば
座った場所は凜久のあぐらをかいた足の上。
横向に座らせられて……。
もうピクリとも動けなくなることを、凜久は知ってるんだ。
「こうやって……」
フォークに真っ白なマシュマロを刺してお鍋の下へと持って行く。
「焦がせば」
柔らかく揺れる炎の先端で、マシュマロが茶色く焦げていく。
私のハートも、ピンク色から恋い焦がれて……
熱々になっていく――。